2021年1月22日金曜日

ガラパゴス

 価値観は人それぞれ違う。時代によっても違ってくるはず。私は昔、無知でどうしょうもない上司に的はずれな事を散々言われて嫌気がさした事があったな〜という事を思い出した。

こういった人の根本的な原因は何なのかなと考えた結果、情報がアップデートされてないんだろうなと思った。昔から持っている価値観と現状がズレている事に気づかず古い価値観で生きている人。現状が変わっているのにアップデートしない人。

可愛そうな人だけどしょうがない人達。言い換えれば今を生きてない人なのかな〜?

そういう人ほど自分の価値観を振りまわして正論として(自分の)押し付けてくるからたちが悪い。

「いや、あなたズレてますよ!」って誰も言ってくれないからズレが理解出来ないんでしょうね。つくづく可愛そうだと思います。どうでもいいけど自分に降り掛かってきたら払い退けますけどね。あなたのレベルで言われたくないから。アーメン!




2020年2月20日木曜日

Mon retour d'origine

そのワインに出会ったのは25年以上前でした。その後の方向性や人生を変えた一本だったと思います。フランスにワイン留学をしていた頃、たまたま飲んだ一本がその後の自分を決める衝撃的な出会いであった事は間違いありません。

アンドレ・イッシェが作るChateau d'Oupiaのワイン。私自身、今でこそラングドックのワインを日本で広めるべく活動をしていますがこのワインと出会わなかったらそれは無かったと思います。ハッキリとそう言いきれる程、私はこの人のワインでこの土地に惹かれてしまいました。

今ほど情報もなく手探りでこの地のワインを探し回り、知りたい一心で産地の赴いて自分の目と舌で一歩一歩理解を深めていきましたが、多分アンドレ・イッシェさんとの出会いがなければ私の理解も時間がかかったと思います。私はとにかく彼のもとを何度も訪れラングドックの事を聞かせてもらいました。それはこの地の歴史、現状、思い描く未来など何度も聞かせてもらいました。

彼は自分以外にも他のエリアの優良な造り手に会うことも勧めてくれました。さらにその手配までしてくれました。そのおかげで私自身がこの地のワインの可能性を感じ、これからの人生をかけてもいいと思える程に理解を深めることができました。

控えめでいて自ら表立って主張する方ではなく、実直でありながら情熱的なアプローチで品質高めていく姿勢。深い理解力と観察眼があり、無理や見栄のない対応をする方でした。そんなお付き合いをしていく中、いつしか私の中では彼のワインがこの地の指標になっていきました。それは私が選択の際、重要な指標として今でも息づいています。

残念ながらアンドレさんは長い闘病の末2007年11月にお亡くなりになりました。私にとっても大きな損失でありラングドックにとっても大きな松明の火が消えた出来事でした。

私は渡仏するたび彼の墓前に出向きその時その時の思いや感じている事を話してきました。生前のように優しくうなずき聞いてくれる事はありませんでしたが私の話を受け止めてくれているような気がしていました。

生前よくおっしゃってました「何事も根っこが大事なんだよ、葡萄の木だってだっていい根っこがなきゃいい葡萄は出来ないんだよ」その頃はピンときませんでしたが今思うとシンプルだけど万物に共通する物事の捉え方だなとしみじみ感じます。葡萄でも建物でも「基礎」と呼ばれる部分は目立たないし普段存在すら意識しないものです。しかしこの「基礎」がなければ目に見える部分は乗っからない訳です。

その「基礎」を根っこと表現して私に教えてくれたわけです。要はどこが大事どこを見るべきか!それを気づかせてくれた訳です。ワインだけ見てても見えない事がたくさんあります。産地や造り手の頭の中、状況や考え方の変化、描く将来像などなど...

それ以外の部分に注意深く目を向けることで全体が掴めてくる。それを継続して何年もかけて観察することで見えなかったものが見えてくる。

その教えは後に私の仕事の中で大きな礎となり大事な事を気づかせてくださった言葉として私のなかで生き続けています。

私がどこまであなたに近づけるかわかりませんがあなたのエスプリを胸に今日も明日も私が出来る限り追い続けます。Pour toujours...

C'est mon original...

今回、約10年振りにシャトー・ドゥーピアが特別限定輸入にて入荷します。
詳しくはこちらを御覧ください。



2019年3月6日水曜日

Paris, restaurant Nouvelle génération "Cuisine française aux nuances italiennes"

久しぶりにパリを訪れました(多分10年振り)いつもはトランジットで通過し、すぐに南フランス入してしまうのでパリを訪問することはありません。皆さんパリ、パリ言いますが私には何にも魅力を感じません。「ある部分」を除いては...

今回いつも行われるワインサロンがパリ15区で行われることになり久しぶりにパリ滞在となった訳です。それも3日間!これは「ある部分」を楽しむしかないと渡仏前から決めていました。そうですパリは言わずと知れた美食レストランが集まる都市であり世界各国から美味しい料理を求めて人々が集まって来る場所でもあります。

ミシュランの星付きレストランからビストロ、ブラッセリーまで様々な形態、様々な国の料理店が数多く存在します。クラシックで伝統的なフランス料理もいいのですが流石にこの歳になると重たい。

ということで行ってまいりました。このレストランは知り合いの造り手の友達(ラングドックで自身の店を出している方)の知り合いで造り手経由で紹介してもらいました。

店の名前はレストラン・イーダ(Restaurant IDA) 場所は宿泊先近くの同じ15区にあります。オーナーシェフ、デニー・アンボワジ(Denny Imbroisi)氏は若干32歳のイタリア、カラブリア出身の方です。Giancarlo Perbellini、Corrado Fasolato、Quique Dacosta、Mauro Colagrecoなどで修行をし28歳のときAlain Ducasse率いるエッフェル塔の2階にあるレストラン、ジュル・ヴェルヌ(Le Jules Verne)のスーシェフを努めた後独立、 IDAを開店したそうです。

フレンチ、イタリアンに限らずスペインや南米などでも仕事をしたことで彼の自由なスタイルと多くの見識からくるインスピレーション溢れる料理が魅力です。

生まれ故郷のカラブリアの郷土性も加わっているという事でフランス料理ともイタリア料理とも言えず、ご自身のオリジナリティーがふんだんに盛り込まれた素晴らしい料理の数々でした。

せっかくなのでしっかりと味あわせていただこうとMenu(コース料理)をお願いしました。ワインは申し訳ないのですがフランスワインをチョイス。お店の方はイタリアワインをオススメされてましたが...

Amuseは半熟卵とトリュフ。やっぱりフランスで食べるトリュフは香りが違いますね〜クラクラします。卵黄とサヴァイヨンとアクセントのパルメザンが効いてました。

Antipasto Freddo(冷たい前菜ですね)何故かここからイタリア語で書いてありますね〜

ラングスティーヌ(手長エビ)のレモンマリネ、パッションフルーツのヴィネグレット、キャヴィア添えでした。パッションフルーツの香りが華やかでレモンの酸味との相性が抜群でした。フルーツ同士の合わせで香りが際立ち、酸味が穏やかになる計算かと思われました。日本で早速使ってみよ〜 手長エビは旨い!

Antipasto Caldo(温かい前菜)
フォワグラのミキュイ(半生)シャンピニオンのヴルーテ、グラナパダーノのエマルジョンとカラブリア唐辛子の風味。温かいフォワグラのテリーヌにグラナパダーノのエマルジョン(乳化させて液状に)を泡立てたフォーム状のソースが周りにかかっています。テーブルサービスでシャンピニオンのヴルーテ(粉とバターを使った濃いめのソースです)をその周りに注ぎ完成しました。シャンピニオンのヴルーテの香りが抜群です。わざわざテーブルサービスするだけの事はありますね〜流石!この香りだけで味覚が刺激されるほど何ともリッチで豊かな風味でした。フォワグラの食感が見事で口の中でとろけた後に旨味とコクが長〜く残ります。グラナパダーノのエマルジョンが優しくそして強い旨味成分として寄り添ってきます。フォーム状にして軽く仕上げている意味がよくわかりました。

Pasta(パスタ)
楽しみしていたパスタです。今回は自家製ラヴィオリでした。円形のラヴィオリの中にcoulant d'Oeuf(卵黄が流れ出る)が入っています。上からパルメジャーノチーズが振りかけてありペリゴール産黒トリュフが乗ります。そこにまたまたテーブルサービスでブール・ノワゼット(焦がしバター)をかけ完成です。

もっちりとしたラヴィオリを切ると中から卵黄がトロ~リと出てきます。後からかけた焦がしバターでパルメジャーノチーズが溶けて絡まります。卵黄、チーズ、バターのハーモニーが相まって香り豊かな黒トリュフの風味が一層引き立ちます。「香りを食する」ようなヒトサラです。季節の美味しいものをとことん楽しむための思いが生んだような料理です。

Plat(メイン料理)
この日のメインはホタテ貝でした。ホタテのグリエ、人参と生姜のクーリ(ピュレ状のソース)アンディーブとカリフラワーのグリエ添え。シンプルなグリエ(グリル)料理ですがこの人の料理は香りが飛び抜けて良いです。皿が運ばれて自分の前に来る前からグリルした香ばしい何ともそそる香りが広がります。ず〜っと嗅いでいたいと思わせる香りです。前菜からの構成で、「ここで重たいソースはキツイな〜」と思ってましたが、この香りで一気に食欲が回復しました。

ホタテはもちろん火入れも抜群に良かったですが、付け合せのアンディーブのグリエが何とも美味しい!グリルしているので特有のクランチな歯応えはありませんが、特有の苦味がホタテの甘さと相まって主役よりいい仕事してます。マンダリンでスライスしグリエされたカリフラワーの食感が効いてきます。クミンの風味がある人参と生姜のクーリを合わせて食するとまた違った側面が見えてきます。

やっぱり噂通り素晴らしい料理でした。雰囲気もサービスも堅苦しくなくフレンドリーでイタリアの陽気で楽しさに溢れるリラックスできるホスピタリティーを感じながら美味しくいただくことが出来ました。

予約した際、夜の営業は時間帯で2回に分かれていると言われました。私は19時半からの早い方で予約したのですが後半の21時半からの予約も一杯だったようで私達がデザートを食べている頃には21時半からの予約のお客さんで狭い店内が溢れかえってました。このクオリティーの料理と雰囲気であれば(価格も)お客さんが集中するのも無理ないと思いました。皆様ももし行かれる場合は予約必須でいかれることをオススメします。

最後のデザートの時にはシェフがわざわざ出てきてくれて挨拶してくれました。本当に素晴らしかったと伝えられて心から満足できるディナーでした。皆様もパリに行く際はぜひどうぞ。おすすめです。

手長エビのマリネ、パッションフルーツのヴィネグレット
フォワグラのミキュイ
ラヴィオリ
ホタテグリエ
店内(入店した時)

店内(21時半頃)

店舗外観



レストランデータ

Restaurant IDA par Denny Imbroisi
住所:117 Rue de Vaugirard 75015 Paris
電話:01 56 58 00 02
定休日:日曜日
ウェブサイト:https://www.restaurant-ida.com(ここから予約ができます)

2019年2月13日水曜日

Paris Salon 1

今年からパリ開催となりましたVINISDはVINOVISIONと合同開催となりいつものVINISUDのような地中海のワインだけでなくフランス各生産地、その他各国のワインも数多く出展しています。そのかわりラングドックの作り手の出展が大幅に減ってしまいました。

主催者側の考えもわかりますが個人的には南だけのサロンにして欲しいと思うばかりです。比較的大きな生産者やメジャーな産地の会社などが多く昨年までとは違いメガサロンになりつつあるのでしょうか?

開催場所はパリの15区ポルト・ド・ヴェルサイユのExpo施設です。今までのモンペリエの会場も大きかったですがここも負けずにでかい!しかしラングドックの展示スペースは全体の4割位でしょうか。それも個々の作り手での出展ではなくアペラシオン単位とか組合単位での出展が目立ちます。

そんなわけで空港から直行し10時前に会場に到着。登録を済ませスタンドを巡りました。最初は恒例の「千本ノック」こと無差別試飲。ここのワインの数も減ってますね。試飲を初めて数分後、今までの眠気がすっかり飛びました。人間意識が集中すると他の事が気にならなくなるんですね〜

只今イデアルでも売り切れ中のラクロ・ベルのロゼ18年、瓶詰されてました。いつもの味わいではありますが旨味が増している気がします。この蔵、次の6本セットで3月に到着予定ですが年々味わいが向上しているように思います。絶え間ない努力の賜物なのでしょうが現実に味わってみるとスゴイ事だと改めて思います。

現実に甘んじることなく努力する事でさらに高みくを増していくのでしょうね。この姿勢見習わないと...

イデアルでもおなじみのクラウディーヌです。2018年自身初の白ワインをリリースしました。名前はロゼと同じくNo7。ソーヴィニヨン・ブラン100%で仕込みました。

爽やかな風味と柔らかい酸味、セージやパセリなどのハーブ系の風味もあります。味わいはこの人ならではの柔らかくデリケートな口当たりです。

まだ瓶詰めして間もないためにバランスには欠けますが上質なワインであることはわかります。今後葡萄の樹も成長し深みやエキス分が増加すればさらに素晴らしいワインになるのではないでしょうか。今後が楽しみです。

ちなみに本人にはまだ会っていません。これから会いに行きます。

毎年グレードアップしている蔵といえばこちらのランシールも同様です。レジス・ヴァンレンティンは今一番脂が乗っている作り手と言えます。

代々続く歴史も守りつつ新たな挑戦をする気概と勇気がワインとなって現れています。新しいキュヴェも増えましたがこれらをリリースするためには何年も前から考え、葡萄を植え、成長を待って初めて製品になるという長い作業が必要です。

前回ご紹介したLiberteに続き、新作のロゼD'ici on voit la mer...(ここから海が見える)はランシールの新たな一面を垣間見た気がしました。今までのロゼとは根本的に違います。このワインを考え一から作り上げた事がよく理解できました。素晴らしいです。

Bravo Regis!




2019年2月11日月曜日

Je vais aller en France 2019


皆様2019年の買い付けに行ってまいります。昨年まで南仏で行われていたサロンが今年からパリ開催となりパリ滞在を余儀なくされます。寒いのが苦手な私には苦行にも思える3日間となりそうです。

その後シャンパーニュ、ジュラ、南ローヌへと南下しホームのラングドック入する予定です。今の所パリからの数日間の天気予報では晴れのようですがご覧のように生産地は雪深い様子です。昨年の経験から「足元注意」で慎重に行ってまいります。

渡仏の間の約2週間、ご迷惑をおかけいたしますが素晴らしいワインの発掘することでお返ししたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。

2018年6月8日金曜日

Vin délicieux se connecte avec les gens

もうかれこれ10年以上の付き合いになります。昔からのお客様が来店下さいました。以前は関東にお住まいだったのですが現在は大阪在住のTさん。

出張のついでに顔を出してくれました。Tさんは大のワイン好き、というかワインを愛してます。私の事を南仏ワインの伝道師と呼び、とても贔屓にしてくださってます。

以前よく店に来ていた頃はTさんも交え店でよく一緒にラングドックワインをしこたま飲んでました。当時の私のラインナップはほとんどと言っていいほど本当によく飲みました。

ワインに深い愛情を持ち、飲酒経験も豊富な方でヨーロッパのワイン文化も心得ているTさん。ワインだけではない作り手や産地、歴史などのバックグランドが大切であるとの私の意見をいつも興味深く聞いてくださり解釈してもらってます。

昨日、そのんなTさんの「今日は東京に泊まるので」の一言で飲み会開始!どうせ飲むなら普段飲めないものをということでTさんもよく知るランシール(Ch-Lancyre)を、それもランシールの新たな一面を感じさせるルベルテ(Leberté)を開けました。


私もそうですが香りを嗅ぐと一気に10年前の場面が頭に浮かびます。「この香りは思い出しますね」とTさん。「ですね」

お互い楽しく飲んでた場面を香りと共に記憶しているのですね。美味しいワインがそこにあることで思い出も味わい深いものになるのですね。ワインは凄い!

今やラングドックを代表する偉大なワインとなったランシール。私は1998年に初めて蔵元を訪れました。その当時、当主はまだベルナール・デュランが努めていましたが現在はレジス・ヴァレンティンが中心となり優良なワインを作り出しています。

昔ながらのクラシックな製法やスタイルを大事にしながらも現代風で新たな試みにも意欲的なレジス・ヴァレティン。彼が手がける将来を見据えるような一本がこのリベルテなのです。ラングドックワインの魅力は気軽に楽しめること。レストランで作法に則って薀蓄と共にかしこまってお飲みになるワインではなく、仲間と楽しく陽気に気軽に飲めることにあります。

このリベルテについてレジスは語ってました。手をかけ時間をかてつくる上級のキュヴェではなく気軽に飲めて手が出しやすい高品質なワインをリリースしたかったそうです。使用する葡萄品種、アッサンブラージュの割合、醸しの時間など「飲みやすく」「香りがよく」「らしさがあり」「リーズナブル」な理想を目指し2016年よりリリースしました。

それにしても見事に理想を体言した出来です。決して軽すぎず、重すぎず、香りが豊かで深みもある。なんと言ってもバランスが素晴らしい!聞いたところ一部の原料に高樹齢の葡萄を使用しているのだとか!それ故の深みか!

Tさんとそんな話をしながら30分もしないうちに開けてしまいました。「以前、村上さんがワインの旨さは飲んでるときの残量に比例するって言ってましたね」とTさん。まさにその通りの結果になりました。

Tさんの顔を見るとまだ飲みたい感が存分に出てたのでもう一本いくことにしました。こちらもTさんがご存知のコージョル・ガゼです。しかし10年前に飲んでいたのはグレコーという名前でした。当主のアラン・コージョル・ガゼはモンペイルーにあったドメーヌ・グレコーで名声を確立したにもかかわらず2001年にグレコーを商標ごと売り払い現在の場所(ラルザック山脈の山の上)に新たにドメーヌ・コージョル・ガゼを作りました。

何でもこの気候環境じゃないと理想のワインが作れないからだそうで標高は有に800mを超えています。コージョル・ガゼとなってから初めて味わったときの事は鮮明に覚えています。グレコー譲りの圧倒的な香りは健在です。しかし味わいが全く違う。瑞々しく涼やかで透明感のある味わい。磨かれたミネラルのような一切の雑味がない味わい。


こっちの方向に行ったわけか。それを実現するにはこの気候は不可欠だな、と訪問した際深く納得した覚えがあります。

飲み進めるごとに瑞々しさが膨らんできます。抵抗なくスイスイ飲んでる様は身体が求めているようでもありこれもあっとゆう間に空に!

美味しいワインは楽しく皆で飲むのが一番ですね。これでTさんとの思い出も一つ増えてそれを肴にまた飲める。永遠と続く負(?)のループです。

皆様も飲み過ぎにはお気を付け下さい。私には言われたくないと思いますが。

Vide!

2018年5月23日水曜日

Esprits neutres

ワインとは関係ない内容ですが実は私のワイン選びと深い関わりがあったりします。

「旨いものは一人で食す」これは私の鉄則であるわけです。何も独り占めしようという了見の狭い話ではありません。初めて訪れる店や初めて食べるもの、飲むものは全て「一人で食す」ということです。

本当に味わいたいと思ったら余計な詮索や人との会話は邪魔以外なにものでもありません。とかく最近は情報過多な世の中、無駄な情報が溢れています。人には機械にはとうてい及ばない優れたセンサーが備わっています。余計な情報や無駄な知識は時にそのセンサー機能を阻害します。持っているのに使えなくする訳です。

私は自分の持ってるセンサーを最大限使ってワインを選んでいます。買い付けに行く際はなるべく余計な情報を入れずニュートラルな状態でワイン選びに臨んでいます。

前置きが長くなりましたが、気になるお店がありました。お蕎麦屋さんです。もともと蕎麦好きであることもありそのお店に行ってきました。たまたま歩いていて看板が目に止まり場所を確かめて店の佇まいを見て、あらためて来てみようと思っていました。

ゆっくりと味わいたかったのでお昼でも遅めの13時半に伺いました。狙いどうりピークが過ぎていて他には一人のお客さんしかいませんでした。

初めて行く店ではシンプルなメニューが一番いいので当然「せいろ」をと思って行ったのですが店内に入った途端、天ぷらを揚げるごま油の香ばしい香りにやられました。席に付いてメニューを見ますが頭の中に「天ぷら」がくっきりと浮かび上がってきます。

メニューはきれいに手書きで書いてあります。メニューは「お品書き」であり何が食べられるのかを理解するツールです。しかしこちらの捕らえようによっては店主が何を食べてもらいたいかを読み解く暗号でもあるわけです。ここは集中して解読したいところです。

メニューを開き全体を見てみる。シンプルだけど店主の厳選感があります。多分10年前、5年前とは違ってきたのでしょう。色々やって厳選し削り込みこのメニューに至った感が伝わってきます。それらは何年も試行錯誤しながら選ばれ残ったメニュー達なのでしょうね。それ故に一品一品の完成度が高いとゆうことでしょう。

さて選択です。よーく見ていると「穴子」の文字が入ったメニューがだけが3回出てくる!これは「食べさせたい」メニューと見た!すでに頭の中では天ぷらが渦巻いていたので即決定!問題は蕎麦の種類だな。

10割のせいろ、これは王道であり外せない。もう一度メニューを観察すると挽きぐるみ「田舎せいろ」の文字。しかもサブタイトル「限定」これも惹かれる。蕎麦つゆとの相性やつゆの味をみるには「せいろ」が最高だが蕎麦の味的には「田舎せいろ」が食べたい!

これは迷う!うわ〜どっちも食べたいけどそんなメニューは無い!カウンターで一人悶ながら悩んでいると天使が現れた。ふと目に入った卓上メニューに「せいろ、田舎せいろ合盛りできます」の文字!神様〜〜ありがとうございます〜〜〜!

ということで「穴子天、合わせ盛りせいろ」に決定!食べたい物がたのめて嬉しかったのでビールもお願いします。

いい蕎麦屋さんはいい飲み屋さんでもあるわけです。ごま油の香ばしい香りで食欲がそそられます。まずはこの香りでビールを一口!この雰囲気の中で飲むと何故が嬉しさが湧き上がってきます。穴子天が上がる音を聞きながら飲んで待ってる時間は最高!思わず「あ〜」って言ってしまいます。

そうこうしているうちに目の前にはそば猪口、つゆ、わさび、天つゆ、塩などが並びます。そこに満を持して穴子天がやってまいりました。ごま油の香りが3倍増しに!幸せな香りに包まれます。なるほどな、穴子がバリバリに立った衣に包まれてすごい存在感を醸し出しています。一本丸で上げているので皿には2つに切って盛り付けられてきます。切り口から穴子の純白で、ふわふわした身が覗きます。脇には蓮根、茄子、ししとうが花を添えています。「せいろはお声がけ下さい」との店主の配慮も嬉しいですね。

それではお言葉に甘えて穴子天で一杯いかせていただきます。まずは何も付けずに食す。入店時から頭の中に浮き上がっていたものが今目の前に。香ばしい香りと共に期待通りのふわふわの穴子の旨味が口の中に広がります。カリッと上がった衣と穴子の柔らかさのコントラストが見事なハーモニーを描きます。これは旨い!結構なボリュームですがさらりと食べれます。

揚げたての極上穴子天を楽しんだ後、そろそろ「せいろ」をとお願いしました。待つこと3分「まずは10割せいろからどうぞ」と合盛りとはいえ別々に出してくれるんですね。ここにも店主の意図が見え隠れします。遅れる事3分、ちょうど「10割」を半分位食べた頃「田舎せいろ」登場です。挽きぐるみのため当たり前ですが色が濃いです。しかも細切りです。これは珍しいですね。

綺麗に盛られた「田舎せいろ」は艶々(つやつや)していて細く美しい佇まい。以前食した出来たての蒟蒻の刺し身のようです。つゆを付けずに食べてみます。そばの風味がいいですね〜!しかしこの細切りは初めての食感です。挽きぐるみの蕎麦は力強さやワイルドな風味と味わいが魅力ですが、ここの田舎せいろはそれにプラスして洗練された食感、食べやすさがあります。喉を通ったあとは強い風味がありますがマイルドに抑えられています。これはオリジナル感高いですね。10割もパンチというよりは洗練されている印象です。

田舎せいろを一口また一口と食べるうちにその味わいと洗練された構成にどんどん惹かれていきます。これは「10割」と逆に出されてたら「10割」のイメージは半減以下になっていたでしょうね。そのための時間差別盛りだったように思います。(真相は知りません)私のイメージとして店主の話し方、声、仕事をしているときの所作などを見る限りそばの味わいとマッチします。こおゆう寡黙で繊細な仕事ができるひとは良いものを作るんですね。本当に良いお店(人)でした。

たまたま歩いて看板見つけて訪問しましたが看板一つにも何か感じるものが出ていたのでしょうね。ワインと同じようにお店も自分で感じ開拓することは楽しいことです。皆様も是非町をぶらついて直感を信じて良いお店を開拓してみて下さい。スマホばっかりいじってたら無理だと思いますが...

ちなみにお店の名前も写真を上げる(だいたい撮ってないし)なんて無粋なことはしません。あしからず!

2018年2月26日月曜日

Les vins par Maestro

ヴァングロー村
まさに巨匠のワインです。ドメーヌ・デ・シェーヌ、ルーション地方の銘醸地ヴァングロー(Vingrau)で代々続く造り手です。現当主アラン・ラズングル(Alain Razungle)は造り手でもありモンペリの大学で醸造学を教えるプロフェッサーでもあります。

ただの教授と違って造り手ならではの経験と見識を織りまぜながら教鞭をとります。今ではラングドックきっての高名な造り手となったアラン・シャバノン(Alain Chabanon)やマルジョリ・ガレ(Marjorie Gallet)など彼から実践的な教えを受けた教え子たちが次々と優良な生産者に育っています。彼のルーツはお爺さんとお父さんからの遺産とも言える素晴らしいぶどう畑(古い葡萄の樹)をベースに独自の解釈からのワイン造りへのアプローチ、理想的なワインの姿を追い続けています。有機栽培、無農薬栽培など当たり前としてビオの承認さえ取得する気もありません。

ファレーズ(崖)
ヴァングロー村の特徴でもあるファレーズ(崖)に囲まれるような場所に幾つもの区画の畑を所有しますがどれもナチュラルで自然な姿です。そこには代々受け継いで来た歴史ある高樹齢の葡萄の樹があるだけです。

それにしても畑から見上げる崖の景観は圧倒的な存在感があり、この崖から絶えず風が吹き下ろしてきます。


アマンディエの花
今はちょうどアマンディエ(Amandier)の花が綺麗に咲いていて冬の寂しい畑に華やかさを添えています。アマンディエの花は日本の桜にそっくりです!

畑は崖の急な斜面や緩やかなスロープ上にあったりと様々ですが当然厳しい場所にある畑にはトラクターは入れず全て手での作業になります。

プロフェッサーと一緒に各区画の特徴や植えられている葡萄の樹齢や状態など細かに教えてもらいながら見て回りました。さすが教授、説明にも一つ一つ納得させられます。どの区画も綺麗に整備されていて美しい畑です。しっかりと手をかけていて大変な作業を厭わない姿勢が見て取れます。やっぱり畑は大事です。この作業を何年も何年も繰り返し行なってきたのでしょうね!まさに財産です。

蔵に戻り試飲です。すでにイデアル・ディレクト用のワインはVINISUDで試飲済みですので蔵で熟成中のワインを飲ませていただきました。赤ワインは3種作っているのですがキュヴェによって新樽と2年目、3年目の樽を使い別けています。

教授曰く樽の効用は新樽と使い込んだもので違ってくるのでその年の作柄を見ながら使わけるそうで、違う樽のものを飲ませていただいて納得しました。樽熟はいわば「ドレスを着せる」ようなもので、出来上がったワインにふさわしいドレスを選ぶんだとか、プロフェッサー、例えがオシャレ。流石です。この例え方私も使わせてもらおっと!

イデアル・ディレクト2018年第二弾巨匠アラン・ランズングル作、ドメーヌ・デ・シェーヌ紫玉の6本セットです。どれも蔵でしっかり寝かされ熟成され完成されたワイン達です。ルーションの真髄を味わえる価値ある味わい。

今週末にワインが引き取られて3月上旬に船に積まれ4月の中旬以降にイデアルへ到着予定です。

またこのエリアは天然甘口ワインの産地でもあり、当然アランさんも作っています。セットには入れていませんが個人的に買ってしまいました。甘美で可憐な極上デザートワインです。楽しみです。

詳しくはイデアルHPを御覧ください。



2018年2月25日日曜日

Le vin de mer et de soleil

翌日23日に向かったのは地中海に浮かんでいるような場所ルカート(Leucate)にある蔵元です。VINISUDで掘り出した蔵元で試飲をした瞬間に訪問を決めました。親子2代でやっていて歴史はありませんが造り手の独特な感性と特別なテロワールが作り出す味わいにとても惹かれました。

このエリアはラングドックでも最も古いアペラシオンとして制定されたフィトゥー(Fotou)に属します。アペラシオンの制定アリアは2箇所に別れ、山沿いの「フィトゥー・モンターニュ」と今回訪問した海側の「フィトゥー・マリティム」です。

フィトゥー・マリティムの中心の村、ルカートを中心に東側一体に畑が存在しファレーズと呼ばれるエリアからは畑越しに地中海が見える絶景です。このエリアはコンサバトリー欧州委員会、自然保護区ネットワーク「ナチュラ2000」 http://www.natura.org/に指定され動植物、海洋環境の保護、管理を目的とした自然保護区となっています。

ファレーズの畑からの景色
ドメーヌ所有の畑をいくつか見せてもらいました。畑に入るとその海風の強さを実感します。葡萄の樹はどれも樹齢が古く平均で30年を超えています。この葡萄を使いさらに収穫量をかなり絞り込んでいるために質の向上につながっています。蔵の作るワインの中では15hl/hlまで絞り込んだものもあります。量より質を重視している証です。

区画は全部で15箇所ありますが時間の関係で今回全て見ることはできませんでしたが主要な畑をしっかりと見ることができました。実際に畑を見て実感しますが良いワイン作る蔵は間違いなく畑がきれいです。とてもナチュラルで土も柔らかです。ワインの場合原材料は葡萄のみですから良い原材料を得るためにはそれを育む畑が大事なことは言うまでもありません。

2017年のワイン
VINISUDで飲めなかった熟成中の2017年をタンクから直接試飲しました。まだアッサンブラージュ前のもので品種ごとに試飲です。この蔵のワインは水々しくフレッシュ感があります。どの品種も特徴を感じながら果実味の豊富さがあります。蔵のスタイルなのでしょうね。

充実しながらフレッシュ感も得るために完熟する前の絶好のタイミングで収穫していると言ってましたがまさにそれが見事に味わいに反映されています。飲んでいてもフレッシュ感の中にも充実した旨味と溢れる芳香がありグラスに何度も何度も鼻を近づけたくなります。いつも思いますが旨いワインを試飲してるときに思いっきり飲み込みたくなる衝動にかられます。運転さえなければな〜

ここのワインも今年のラインナップに加える予定でいます。そうですね夏から秋にかけてが一番楽しめるでしょうか!ご期待下さいませ!

海が綺麗です。
こんな素敵なロケーションにあるレストラン!


滞在も残り少なくなってきました。引き続き気を引き締め極上ワインを探しもとめたいと思います。みなさま bon week-end !



2018年2月24日土曜日

L'accident est revenu

変えてもらった車
こんな事があるのでしょうか!22日の朝、借りている車がまたパンクです。2年連続!ホントにやめてほしい。前回は初日の出来事でしたが今回は6日目で完全に安心していた矢先のアクシデント。それ故ショックもでかい。ましてやこの日100キロ弱離れたところで10時に待ち合わせをしているため焦りました〜!

早めにホテルを出ていたのですが車を変えてもらうのにてこずり結局待ち合わせの1時間半遅れの11時半に到着!もうホントにヤダ!

アクシデントなので前回よりグレードの高いものにしますと店員。「当然でしょ」しかしロングドライブではデカイ車のほうが楽ちんなのは言うまでもなく午後にはすっかり上機嫌なおいら!単純です。これでまたポンコツネタが増えたので良しとしよう!

前回から秋、冬用イデアルのスタンダードとして輸入したChibetを作っている蔵へパートナーのニコラと訪問しました。歴史あるコーペラティブ(協同組合)で質の高いスタンダードワインを作っています。主にペイ・ドックの地酒的なワインを作っていて、昔からあるクラシックなやり方で安定感のあるワインです。今回新たにシャルドネ単体の上級キュヴェを出してくれました。今取り扱っている白はシャルドネとヴィオニエのアッサンブラージュのものですがシャルドネ単体もコシがあってストレートに旨味がきます。好みだとは思いますが両方ラインナップして選んでもらってもよろしいかと思いました。

赤、ロゼも2017年のものも交えて試しましたが良い出来です。前回は見送ったメルロとカベルネの単体も充実した果実感がありこれも選択技に入れたいと思えるほどでした。う〜ん季節感を配慮して選択すればよりラインナップにバラエティーが出て喜んでいただけると思われます。あとはオイラ次第!

その後ランチをする予定だったValjuliusのジュリアンの元へ!パンクのお陰で予定が押してしまいジュリアンのとこに着いたのは2時過ぎでした。到着し「ごめんね」というと「C'est la vie」で返されました。ジュリアンとはVINISUD初日で偶然会いました。彼はVINISUDには出展してないのですが遊びに来ていたようで、私が1200本の試飲を終えてフードトラックでビールを注文しているところを偶然見つけ、駆け寄ってきてビール代を払ってくれました。その際に22日に近くまで行くからランチしようということになったわけです。

Valjuliusも昨年5月のツアーでお客様をお連れしたところです。新しいセラーに併設したジュリアンの自宅で試飲。2017年本当に美味です。スペシャルキュヴェのコンフィデンシャルも良かったです。前回在庫がなかったロゼも揃っていました。スタンダードのイニシャルの赤と白、上級キュヴェのシナチュールの赤と白どれも良い出来です。シナチュールの赤は今まで飲んできたValjuliusのワインの中で最高の出来じゃないでしょうか。本人も2017の出来栄えは納得の様子でした。

しかし一人でこの豪勢な自宅で暮らしているのは羨ましい限りです。ここにいるだけでバカンス気分に浸れます。

キッチンからの景色
目の前は葡萄畑
ちょっとしたホールだね!

2018年2月23日金曜日

Une place spéciale dans la montagne

テラス・デュ・ラルザックの蔵元です。アラン・コージョルのところから下山しながら向かった先の蔵元はAnian村とPuéchabon村にまたがり両方の村のニュアンスのワインを作り出しています。

写真のように山の中に畑を切り開いています。現在も山を切り開き畑を拡大中です。畑を訪れた時もブルドーザーで作業をしていました。

実はこの畑、2004年に公開されカンヌ映画祭でパルムドールにもノミネートされたドキュメント映画モンドヴィーノ(Mondvino)でアメリカのワイングローバル企業であるロバート・モンダヴィ社が買収しようとした場所です。

結局反対派の急先鋒であるエメ・ギベール(マ・ド・ドマ・ガサック)や反対派の市長などの働きで買収計画は破綻に追い込まれました。この蔵の当主であるJean-Marcにモンダヴィが当時の買収計画予定だった地図を見せてもらいました。結構な大きさの土地買収を計画していたようで、当時村の皆で集まっては対策を練っていたそうです。地図と共に村の人達の意見が書き込まれた紙をみせてもらいましが何か生々しい感じでした。

しかしこんな素晴らしい土地が業突でセンスのかけらもない馬鹿な奴らに奪われなくてホントに良かった。もし買収が成功していたらこの土地の名を語り金にものを言わせ大規模なパブリッシングで大量に売りまくっていたでしょうね。テロワールの欠片も無い味わいのワインを...

先の写真で見た畑です。スケール感が伝わりますかね?小高い山の中にすり鉢状にぐるりと畑が広がっています。土壌はこの地の特徴である粘土の上にカリケールと呼ばれる石灰で畑の表面には石灰岩が転がってます。ここは特に多くの石灰岩があります。遠目で見ると畑が白く見えるのはそのためです。

この畑も元は周りと同じ森のように木々が茂っていたわけですが時間をかけて畑にしてきました。実際拡大作業中の様子も見ましたがかなりの勾配の中をブルドーザーが何度も何度も木を倒し土地を均していました。一日かけても0.1アール程だそうでこの作業はまだまだこの先も続くそうです。作業をするかたのための小屋も作ってあって食事や休憩を取るのだそうです。

山に入るには四駆が欠かせません。Jean-Marcは三菱の四駆を使ってました。一般道からいきなり山に入って行くのですが狂ったように飛ばす!慣れているのでしょうが飛ばしすぎだろ。猪はもちろん狼もいるそうで畑の周りには猪避けの網が張られていましたが網の下の土をほじくり返し結局畑に入ってくるそうです。

畑は風も強く低地よりも温度は低くなり理想的な寒暖差が生まれます。日中の太陽は燦々と降り注ぎ葡萄の熟成を助けます。

日が落ちた夜は風と寒さのおかげで締まりのある酸味がしっかりと備わります。夏の暑さの中でもこの強い風の影響で畑に熱気が滞留しません。

自然環境を上手に取り込んで土地の特徴を引き出していくわけですね。この自然環境だけはスイッチ一つでどうこうできる問題ではないので年間を通じ、また何年もかけて環境と特徴を理解して土地を選び葡萄を植えていきワイン作りを行う。これが理に適う方法なのです。

蔵に戻り全てのワインを試飲しました。白2種、赤4種です。ロゼは?との質問に「個人的には好きなのだけれど」と言いながらどうしても葡萄を赤に回してしまうとの事。自分用には少し持っていると言ってました。(おいらみたいだ)

白は2017年ということでタンクから直接試飲。スタンダードのものグルナッシュ・ブランとルーサンヌのアッサンブラージュ。柑橘の爽やかな香り、出過ぎず上品な口当たりで爽やかな印象さえあります。このセパージュでは香りが出過ぎたり味わいも濃厚になり過ぎるのですがキレイなバランスでフィネスがあります。流石!

上級のキュヴェはさすがリッチな仕上がりでヴェルメンティーノの華やかでフローラルな香りが広がります。上質です。

赤ワインはどれも柔らかなタンニンで口当たりが柔らかく清涼感もあります。気付いたら一本飲んでしまいそうな均等のとれた構造でストレスなく自然と体に染み込んで行くようです。

スペシャルな遅摘みのシラーを使った半甘口のグルマンディーズ。決して甘すぎず、カカオの含有量の高いチョコレートのような味わい。シルキーな口当たりスムーズな飲み口で甘いワインですが何杯でもいける味わいです。ピュアなチョコレート、ドライフルーツなどと食事の締めに最高じゃないでしょうか。このスペシャルなワインは一本持ち帰りますので3日に味わっていただけると思います。

日も暮れてホテルに向かいましたがラングドックの南北をつなぐ高速(A75)があるので楽ですね。モンペリエまで30〜40分で着きます。しかもタダ!さすがフランスです。交通事情は抜群です。明日から西に向かいます!










ガラパゴス

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