2017年2月7日火曜日

Chef étoilé du Languedoc d'aujourd'hui

不思議な縁はあるものです。数十年前ラングドックにはそれほど有名なレストランはありませんでした。先に紹介したモンペリエのプーセル兄弟のジャルダン・デ・サンス位なもので同じ南仏でもプロヴァンスと比べるとガストロノミーなレストランは少ないという印象でした。

そんな中私がこの土地の魅力にとりつかれていた頃、雑誌で気になるレストランを見つけました。場所はBeziere。いつか行きたいなと思いながら月日が流れました。

ある日たまたまYoutubeで発見したシェフ。何か見覚えがあるな〜と思いながら見ていると急に記憶がつながりました。あの時雑誌で見たシェフではないか!

彼の名前はPierre Auge、今では若手スターシェフの一人です。そのうえ前回のイデアル・ディレクトでご紹介したValjuliusのJulienの親友だという。これは何かの縁だ!と勝手思い込み今回訪問したいと思いJulienに話しました。彼はもちろん私の申し出を受け入れてくれて今回の滞在中に一緒に行くことになってたのですが、3日当日Julienが風邪でダウン!

Julienには悪いけどPierre Augeの料理を是非食べてみたかったので自分一人で店に向かうも満席で無理!目の前にご馳走があるのみ食べられない犬のような。

後でJulienに聞くとラングドックのみならず各地からお客が来るそうな。彼のコンセプトはガストロノミーな料理をビストロのような気軽さで提供するとゆうもの。先に訪れたプーセル兄弟の新店舗も同じコンセプトで高級料理の味わいを気軽に広く提供するという考え方です。そりゃお客が集まるわけです。

後ろ髪を引かれながら今回は諦めましたが次回は必ず行ってやる。今回結構楽しみにしていたイベントだったので本当に残念でした。

Pierre Auge

La maison de Petit Pierre

Plat de pierre Auge

皆さんもBeziereに行かれる際には是非
http://www.lamaisondepetitpierre.fr/


                                      それでは皆さま a la prochaine fois !








2017年2月5日日曜日

Déclin pas un défi à l'esprit..


Alain Caulolle(アラン・コージョル)いつまでも衰えない人だ!Domaine des GreCaux(ドメーヌ・デ・グレコー)でワインも名声も確立したにもかかわらず新たな挑戦に打って出た。アランとは長い付き合いで私と年もそんなに離れていない。

数年前一通のメールが来て「新しいドメーヌ作る」と!「?」聞くとそれは理想のワインを造るため今までの場所を離れるということ。「ますます?」長年の「?」を解消すべく彼の新しいドメーヌに向かった。サロンで試飲はしたのだが今までのスタイルとは全く違う。これは絶対なんかある!

向かった先はTerrasses du Larzacの北の山の上。住所を頼りにいつもの道を進むと今まで向かったことのない方向へ。これ山の中じゃないの?登ること15分、霧で視界が悪くなり始めてからすぐに前方5mしか見えない濃霧の中ひたすら走り30分。ずっとエンジンが唸ってると思ったら標高700mのサインが見える。とんでもないとこに作ったなと思いつつも濃霧の中のドライブが続く。

Oh la la!


やっとの思いでたどり着いたところは今までの世界とは全く別世界の土地。何で?という私の質問にこのワインを造るにはここしかないんだよと誇らしげにワインを出してきた。

なるほどLarzac山脈の中に畑を作ったわけだ!チャレンジャーだね。あいにく霧がひどく景色がほとんど見えなかったのですがここからの景色は絶景らしい。

一通り試飲して気候が作り出す味わいを納得。なんかより一層ピュアな方向に行ってるね。個人的な部分もあってか数年前より若々しくなってるし。この人もともと冒険家で聞くと今までの経緯が面白すぎる。根っからの冒険好きなんだな。人生は冒険を地でいく感じ。

醸造所を新たに建てる時も藁を使ってみたりとにかく話題に事欠かない。



肝心のワインはというと一言で言うと「ピュア」な味わい。葡萄そのままの味わいが表現されていて余計なものを一切取り払った感じです。作った旨みではなく自然の滋味のような旨みが詰まった味わいです。もうず〜と飲んでいたい味わい。試飲のつもりでもつい飲みたさにかられる。ここで飲むと帰りの濃霧の運転が危ないからと我慢しましたが...

Coules

アラン・コージョルの新たな世界観を垣間見ました。しかし次に来る時は春か夏にしたい。

それでは皆さま a la prochaine fois !

continue pour prochaine génération...

時代は変わります。時間の経過とともに次世代に引き継がれていきます。1984年からラングドックでヴィオニエの未来を切り開いた先駆者ミシェル・モロー。彼の功績と葡萄という財産は息子のオリヴィエと彼の妻マリオンに引き継がれます。

今回息子のオリヴィエとは初めて会いましたが温厚で柔らかい物腰、控えめながら芯の強さを持つお父さんに似ていました。まだ若いながら彼の可愛らしい奥さんマリオンと一人娘が彼のモチベーションに一役買っていることは間違いありません。



オリヴィエは30歳、マリオンはまだ28歳。私から見れば息子、娘の年代で見ていて可愛らしいやら微笑ましいやら二人を見ているとなんとも幸せな気持ちにさせてくれます。

話を聞いてみると今時の若者らしく型にはまらず元気一杯です。私が一輸入者として客観的にお父さんのワインの話をしていると興味深く聞いていました。多分彼のは生まれた時から当たり前のようにお父さんの仕事、ワインを見てきているわけですから私の意見は新鮮だったのではないでしょうか。「あなたのお父さんは偉大な生産者なんだよ」みたいなことはあまり外から聞かないのでしょう。

彼の素直で明るい性格からして後々その偉大さがわかってくると思います。私もおせっかい心から「誰々と会ってみな」「ここのワイン飲んでみな」的なことを言ってしまいました。(どうやら私のことはFBでチェックしているらしい)

まだ実質的な采配はミッシェルが行っているようですがいずれオリヴィエがのそ役を担うわけでいずれ引き継がれていくわけですね。

二代目とか三代目とか歴史があればあるほど引き継ぐものの重圧がかかってくると思うのですが、所詮同じことはできないわけです。歴史や文化など本人が本人らしく解釈し本人らしく表現すればいいのです。親父と俺は違うからと与えられた財産の中で自分らしさを出していけばいいのです。

私はいつも思いますが好きになったワインはイコールそれを作る生産者が好きになるわけで別に土地でも葡萄でもないわけです。なのでミッシェルが引退したらミッシェルのワインは終わる訳す。それでいいんです。試行錯誤はあると思いますし、なければダメだしそれを繰り返しているうちにこれが「オリヴィエ・モローのワインだ!」っていうときが必ずやってきます。その時にはおじさんにも飲ませてね。aller Olivier!


Clapas 2015

Clapas 2013C'est magnifique!

追記:Michal Moreau作 Cuvee Clapas2013涙が出るほど旨いです。写真の通りリミテッドです。

それでは皆さま a la prochaine fois !











2017年2月4日土曜日

Le beau vin par une belle passion ...

「美しいワイン」多分この表現が一番合っている気がします。VINISUDで私の中で勝ち残ったワインの一つです。ラングドックでも北にあるニーム近郊のワインですがラングドックでもありローヌでもある微妙な位置にあります。わずか4.5haの小さな蔵です。若い生産者が志を抱きワイン造りをしています。

場所は世界遺産に指定されている「ポン・デュ・ガール」近郊にあります。VINISUDで試飲を終えて造り手のブースに訪問すると美しく若い女性が一人「?」...

「このワインはあなたが作ったの?」と思いながらこのブースを訪れた理由を話しました。ワインや土地のことを話している彼女の目には志の高い情熱が宿っていることが感じられました。

多分突然来た日本人に焦ったのか説明が若干早い!急に行ったこっちも悪かったけど慣れてない感じがひしひしと伝わってきます。焦らせてゴメンね。

その日の夜どうしても彼女のワインが頭から離れずすぐにメールして「畑を見たいんだけど」と伝えると10分もしないうちに返事が来ました。まだVINISUDが最終日で自分はいないけど両親がいるから是非と返事が来ました。

訪問するとご両親が迎えてくれました。お父さんも娘のことを思ってかよくしゃべるけど若干説明が早い!「娘さんいいワイン作ってますね」って娘を思う親同士の会話みたいになりながら畑を視察。なるほどあの味わいはこれか!ってお父さんと盛り上がる。聞くとお父さんは長年有機栽培で野菜や果物を作ってきた方で娘がワイン造りをしたいというので応援しているそうな。一方のお母さんは農業はもうまっぴらと言わんばかりに今までのいきさつを話されていました。(これも話が長い)

聞くと某ミシュランの星付きのレストランに採用されているらしくその品質は認められているようです。センスもありますが志の高い情熱が旨いワインを作り出すのは今も昔も同じだってことです。そのパッションいつまでも持続してね。きっと伝わるから!

Bon champ

Je suis impatient d'est prêt

             それでは皆さま a la prochaine fois !






2017年2月2日木曜日

Goût fait Tsu par pierre

前日サロンVINISUDで1200本試飲したので現地訪問が1日早く可能になりました。やっぱり現地、現場を見ないと納得できないので見てきました。行った先は南ローヌのリラック(Lirac)です。モンペリエから約100キロ、南ローヌ中心地アヴィニヨンの東に位置するローヌでも知られた産地です。
南ローヌは好きな産地の一つでもあるのですがグルナッシュをメインに仕込む甘美な味わいの赤ワインは産地ならではのオリジナリティーがあります。今年のイデアル・ディレクトの中に入れたいと思っていました。

この蔵に行き当たったのも1200本の中の一つでした。スタンドで話をし、確信したのでその場で「明日行きたいんだけど」と頼み訪問してきました。この地のワインは何と言っても畑に転がる多くの石!畑一面ビッチリと敷き詰められた石の様子は圧巻です。

La Vigne
この産地はこの石が肝で、日中の日射を浴びた石が夜に放熱し葡萄の熟成が進むわけです。そのためワインにした時に甘美で完熟感をまとった味わいになります。この土壌は有名なアヴィニヨン近辺のシャトー・ヌフ・デュ・パープからニームあたりまで続きます。昔ローマ教皇庁がアヴィニヨンに置かれたことが起源に教皇庁近辺で栽培されるワインが重宝され今の名声に繋がっています。それがシャトー・ヌフ・デュ・パープ(教皇の新居)であったことから南ローヌの代表的なワインとなり現在に至っているわけです。私も南ローヌの産地をくまなく見てきましたがアヴィニヨンからニーム近辺までほぼ同じ土壌でローヌ河の左右でもそれほど土壌の違いは見うけられませんでした。ただしミクロクリマ(微気候)は違います。

Les pierres



私の癖なのかもしれませんが名前だけの〇〇が嫌いなのでどうしてもシャトー・ヌフ・デュ・パープは敬遠しがちです。シャトー・ヌフ・デュ・パープが悪いと言ってる訳ではありません。名声があるとそれに乗っかって「高くてまずい」ワインが出回ることも事実なのです。あくまでも個人的見解ですので...

話を戻します。このドメーヌ(内緒です)久しぶりに見っけちゃいました。私は渡仏前にイデアルの実質的な黒幕(オーナー)から見つけた蔵の名前をパブリックに出すなと釘を刺されているので名前は明かせませんがいい蔵です。

作り手に会って、畑を見ながら色々と話を聞いたのですが間違いなく価値ある生産者であり紹介したいワインです。詳細を書くとまた怒られるので書きませんが多分5月頃の入荷を画策しております。

醸造施設が素晴らしく、モダンでスマートな職人気質な方でした。私も初めて見ましたがオーク樽のロールスロイスと称されるSeguin Moreau(セガン・モロー)の最上級の樽を使ってました。この中で熟成されてるワインも入れてたいですね。それは私の今後の交渉にかかってくるわけです。皆様のために頑張ってみます。
secret...

cuvée béton

futé de chêne de superlatif

それでは皆さま a la prochaine fois !



ガラパゴス

 価値観は人それぞれ違う。時代によっても違ってくるはず。私は昔、無知でどうしょうもない上司に的はずれな事を散々言われて嫌気がさした事があったな〜という事を思い出した。 こういった人の根本的な原因は何なのかなと考えた結果、情報がアップデートされてないんだろうなと思った。昔から持って...